車を買い替えるきっかけはいろいろあって一番多いのは車検のタイミングだと思う。
それ以外にも故障だったり、環境の変化、車好きだったら今の車に少し飽きてきて新しい車に乗ってみたいというのもあります。
車好きという人種はやっかいでいつも新車紹介の記事を読んでは自分で購入することを妄想したり、カーセンサーを見ては気になっている車が手の届きそうなところまで下がっていないか物色していたりします。
とは言っても車はとても高額、そんなに頻繁に買えるものでもありません。
複数台所有が許されるような恵まれた状況なら別ですけど、通常は今の車を手放して次の車と入れ替えることになります。
候補車探し
いざ車を買い替えると決めたら、やることは山ほどある。
家族の説得に次の候補車選び、今の車をいかに高く買い取ってもらうかなど。
調べることだけでも結構な量で頭の中は次の車のことでいっぱいに。
今回は中古車だったので暇さえあればカーセンサーやグーネットを見て気になる車があったら実際に見に行ったりしてると休日はだいたい埋まってしまう。
中古車はタイミングや出会いも大切なので焦らずに自分の直感を信じてじっくり探したい。
あまり夢中になって視野が狭くなってしまうのもよくないのでたまに候補車を再検討してみることも必要かと。
買い取り
やがて次の車が見つかると、今度は今の車をいかに高く買い取ってもらうか。
今回は車一括査定サイトを使いましたが、スケジューリングや交渉など噂に聞く以上に大変でした。
それでも相場より15万程高く買い取ってもらえたので苦労した甲斐はあったと思う。
買取業者は一般的にオークションに流すので中間マージンが発生してしまう。
できれば中古車販売店に直接売れるような仕組みを利用した方が、マージンを取られない分、高く売れるようです。
別れ
やっと買取先が決まったので荷物を降ろしてレーダー探知機などを外し、内装をキレイに掃除しておく。
前回車を売った時はバイザーにガソリンスタンドのポイントカードを入れたまま戻ってこなかったので今回は入念に確認します。
今の車が引き取られる日までは少し余裕があって次の車の納車日までは1週間空いてしまうので、荷物を降ろした状態でギリギリまで買い物などに使いましたが、この時に何もなくなった車内を見ると自分の車じゃないみたいで少し寂しいような感覚におそわれる。
やがて陸送屋さんが取りに来る日を迎え、時間まで今までの感謝の気持ちを込めて洗車することに。
陸送屋さんは電車とバスを使って一人で家まで来ました。
書類や説明はあっさり終わってキーを渡すと、当たり前ですけど、今まで自分が所有していた車を他人が運転して走り出す。
この時に複雑な感情がこみ上げ、角を曲がって見えなくなるまで見送り、しばらくその場から動けなくなってしまう。
「S4ちゃん、5年間ありがとう。君を運転している時はすごく楽しかったし、いろいろなところに一緒に出かけたね。本当にありがとう…」
…家に入るとすすり泣く声が聞こえる。
家族が窓から車が去っていく様子を見ながら泣いていた。
この瞬間、とんでもないことをしてしまった!と気付いたと同時に激しい後悔の念に襲われてしまう…。
車に無関心だと思っていた家族がこんなに大事に思ってくれてたなんて…。
それまでは気持ちが次の候補車選びや納車手続き、買取業者選びに忙しくて別れがこんなに悲しいとは想像もつかなかった。
次々といろいろな思い出がこみ上げてくる。
・岩手まで7時間かけて行く途中、居眠り運転の車に遭遇しても巻き込まれることなく無事だったこと
・静岡の山道で半分崖のような険しい道をドキドキしながら走った時に感じたAWDの頼もしさ
・土地や物件探しに住宅街を走り回ったこと
・引越しの際に入らないと思った粗大ゴミや大量の荷物を積むことができて大活躍だったこと
特に人生の転機に一緒に過ごした車だったので気が付けば家族の一員になっていたのだと思い知らされた。
こうなってしまうともう悲しみが止まらないし、売ってしまったことを本当に後悔した。
立ち直るまで
気を紛らわせるには次の車のことを考えるしかありません。
やがて納車になって今の車のことを考えることで少しは忘れられると思ったけど、前の車と比べてしまって余計思い出してしまう。
それでも時間と共に少しづつ落ち着きを取り戻してきたけど、完全に立ち直るまではまだまだ時間がかかりそうです。
我慢しないでたまにはたっぷりと思い出に浸って泣くことも必要なのかなと思う。
その代わり職場に置いてあるミニカーなどは悲しく仕事どころではなくなってしまうので撤去しました。
今でも時々思い出して悲しくなってしまう。
正直愛車ロスがこんなにも悲しいとは想像もできませんでした。
今後、車の買い替えは簡単にできそうにもないので、何とか前の車を残しておくことができないか検討したいと思います。
一人で車に乗っていた時は相棒だけどあくまでも機械という認識だったのに対して、家族で乗る機会が多かったのでいつの間にか家族の一員になっていたのだと思う。
もし愛車遍歴みたいに「あなたにとって車とは?」って聞かれたら「機械を超越して相棒にも家族にもなり得る存在」って答えたい。
みなさんも愛車ロスにはお気を付けください。
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